遺言書を作成しておくことは、様々なメリットがあります。
しかし、遺言は、遺言を遺した本人が亡くなることによって、
絶対に撤回も変更もできなくなります。
その亡くなった人の遺した「意思」に法的な効果を与えようという制度ですから、
遺言が有効に力を発揮するためには、いくつかの用件を満たさなければいけません。
つまり、遺言書を正しい方法で作成しないと、せっかくの遺言が効力を発しないことに
なってしまうのです。
遺言書には、自筆証書遺言、公正証書遺言などの種類があり、
それぞれについて法律で方式が定められています。
特に自筆証書遺言は、自分でいつでも書けますから、費用もかからず簡単ですが、
全文を自ら手書きしなければいけませんし、日付も明確にしなければなりません。
訂正の仕方も細かく決められています。
遺言書を作成する場合には、どの種類の遺言書を作成するのがいいのか、
作成の方式などについて、法律家にご相談されることをお勧めします。
遺言書を書く内容に、特に制限はありません。
家族への感謝の言葉や、子どもたちへの遺訓など、自分の伝えたい気持ちを
自由に書いておくことができます。
しかし、遺言の内容に法律的効果をもたらすことができる事項は、
主として次のようなものに限られます。
1. 相続に関すること
法定相続分と異なる相続分を定めたり、具体的な遺産分割の方法を
指定したりすることができます。
2.財産の処分に関すること
財産を法定相続人以外の人に与えたり(これを遺贈といいます)、
慈善団体に寄付したりすることを指示することができます。
3.身分に関すること
婚姻外の子どもを認知したり、未成年の子について後見人の
指定をしておくことなどができます。
4.遺言執行者に関すること
相続手続を信頼できる人に円滑に進めてもらうために、
遺言執行者を指定することができます。
⑤ 祭祀に関すること
祖先や自分の祭祀を承継する人を指定することができます。
もっとも、遺言書といえども万能ではありません。
1.結婚や離婚、養子縁組や離縁
双方の合意が必要な身分関係を定めることはできません。
2.借金の負担
特定の財産を相続させる人にその返済を負担させる、
と定めたとしても法的な拘束力はなく、貸し手である債権者に
対して主張することはできません。
亡くなったときの葬儀のこと、臓器移植の希望などについては、
遺言書に書いておいても、実は、それに法的な拘束力はありません。
しかし、多くの場合、遺された家族は、亡くなった人の最期の希望を
かなえようとするだろうと思います。
また、葬儀のこと等については、希望を書いておいた方が、
相続人らにとっても迷うことがなく、好ましいとも言えます。
もし家族への希望があれば、是非書いておくことをお勧めします。