「遺言」というと、死期が迫って枕元に家族を呼び寄せて・・・というイメージを
お持ちの方も多いのではないでしょうか。
しかし、心身ともに弱ってしまってから遺言書を作成しても、
あとで無効とされてしまうこともあるのです。
実は、遺言が有効となるためには、遺言者に、遺言書作成時に、
自分の行為の結果を判断できる能力(意思能力)がなければならないと
されています。
これを遺言能力といいます。
将来、もし認知症などでこの能力が足りなくなってしまっていたということになると、
その後に遺言書を書いても、それは有効な遺言書ではないとされてしまうのです。
また、無効とまではならなくとも、遺言書の内容をめぐって相続人間で無用の争いを
生じるということもあります。
「あの人がこんな遺言書を書くはずがない」、「弱っているのをいいことに
誰かが書かせたに違いない」など。
このような揉め事を防ぐためにも、遺言書は、できるだけ心身ともに
健康であるときに作成しておくのがよいです。
いまご覧になられて遺言を書こうかと考え始めたとき、このときこそ
遺言書作成の適齢期ではないでしょうか。
将来どうなるか分からないからと躊躇する必要はありません。
遺言書は、その時々の状況で、何度でも書き直すものですから。
有効な遺言書を作成するのに、年齢制限はあるのでしょうか。
民法では、20歳をもって成年とし、未成年者が契約などをするには、
その法定代理人(一般的には両親)の同意を得なければならない、
と定められています。
これは、未成年者は、通常成人に比べて判断能力が十分でないことが
多いということで、未成年者に不利益となるような取引から本人を守ろうという
趣旨で定められているものです。
しかし、遺言の場合、その効力は遺言者本人が亡くなった初めて生じるものですから、
このような本人への配慮は必要ないということになります。
そこで、遺言については、満15歳になれば、法定代理人の同意を得なくても有効に
することができるとされています。