法定後見制度では本人の精神上の障害の程度によって
次の3つの制度が用意されています。
1)「後見」の場合
重度の痴呆がすすむなどして日常の買い物などもひとりでできない程度に
判断能力が低下しており、時には正常な判断能力があるように思えても、
基本的には判断能力がほとんどないと思われる人。
2)「保佐」の場合
本人が自覚しないような物忘れがしばしばあったりして、日常の買い物など
はひとりですることができるのだけど、不動産や自動車の売買といった
「重要な行為」についてはひとりで行うことができないと思われるような人。
3)「補助」の場合
物忘れなどもするが、本人にもその自覚があり、日常の買い物などは
もちろんのこと、不動産や自動車の売買といった「重要な行為」に
ついてもひとりで行うことができるかもしれないが、心配がるので
かの援助があった方がよいと思われるような人。
本人の判断能力がどの程度あるのかについて正確に把握するのはむずかしく、
いざ法定後見制度を利用しようと考えても、後見、保佐、補助のどの制度を
利用するべきか迷うことも出てくるでしょう。
法定後見制度を利用する際には、基本的には本人のかかりつけ医か
精神疾患の診療をする医師の診断を受ける必要があります。
そのうえで診断書を参考にしてどの制度を利用するかを判断し、
該当する制度について「申し立て」を行います。申立に際しては
医師による診断書の提出が必要になります。
家庭裁判所が行う「鑑定」というのは、後見等の制度を利用しようと
する本人の判断能力がどの程度あるのかを、医学的に判定するための
手続きです。
補助では原則として鑑定は必要ありませんが、後見開始や
保佐開始の審判では欠かせません。
鑑定手続きは申し立て時に申立人から提出された診断書とは
別に家庭裁判所が医師に鑑定を依頼する形で行われますが、
鑑定人は原則として申立人が確保することになっています。
したがって申立人は、医師に申し立てのための診断書を依頼する
機会などに鑑定を引き受けてもらえるかどうか、また鑑定費用に
ついての意向などを確認しておくとよいでしょう。