A 寝たきりに備える「財産管理等の委任契約書」
本人が寝たきりだったり、目や手が不自由な場合は、委任状がつくれないことも
考えられます。
その場合、「仕方がないから自分で書こう」と、周りの人が勝手に委任状を
つくってしまうと、あとで何か問題が起きたときに責任を問われる可能性が
あるのでやめましょう。
本人が高齢や病気のために、これから先、ずっと周りの人が日常的な取引や
事務手続きを代行することになるなら、いちいち手続きのたびに委任状を
作るのは現実問題として煩雑です。
特に、賃貸アパートの管理など継続的な事務処理を代行する場合はなおさらです。
もし、「これからこのような手続き全般について、まとめて誰々に代わりに
やってもらいます」といった内容の委任状があればどうでしょうか。
そうすれば、契約や手続きのたびにこの委任状を使いまわすことができるので、
いちいち本人に委任状を書いてもらう手間が省けるし、本人から依頼を受けて
手続きをしていることを客観的に第三者に示すことができます。
このような包括的な内容をもつ委任状が、「財産管理等の委任契約書」です。
この契約書を、公正証書で作成すれば、本人の意思も証明できますので、
金融機関もスムーズに手続きをすすめてくれるでしょう。
「私は、まだまだ頭ははっきりしているけど、最近どうも足腰が弱ってきて、
銀行に行くのが大変だ」
「介護保険のサービスを利用したいけど、目が悪いので自分で申請するのは
むずかしい。誰か代わりにやってくれないだろうか」
このような場合、たいていの人は同居している家族や近所に住む子どもなどに
頼んで、手続きを代行してもらうのではないでしょうか。
もちろん、問題が生じないうちはそれでも構いません。
銀行のATMで生活費をおろしてもらったり、家賃を代わりに払ってもらう、
このような金銭の代行をめぐって問題がおきています。
しかし、これから病気の治療や手術のために長期間入院したり、
介護施設に入るために多額のお金が必要になるような場合は、
そうはいきません。
金額が大きくなると口約束だけでは不安だし、金融機関の手続きをする
場合は原則、本人でなければできないからです。
本人の同意があれば、「委任状」を書いてもらって手続きできますが、
定期預金の解約や多額の振込みなどは委任状だけでは対応してくれない
場合もあります。